情報収集の不足が引き起こす問題

アセスメントを苦手に感じる看護師は決して珍しくありません。ベテランの看護師でもアセスメントは不得手というケースがありますが、これはアセスメントに必須である患者の情報収集が不足しているためです。

医療の現場におけるアセスメントは患者の情報収集と、その情報を分析して治療の方向性を決めることを意味していますが、情報が足りないと分析も正しく行えず、治療の方向性も決まりません。

患者の体調の良し悪しを知るには入念な検査が不可欠ですが、その検査を行うには患者からの訴えを聞く必要があります。体のどこに痛みやかゆみなどの不具合を感じるのかを教えてもらわなければ迅速かつ正確な検査はできません。

患者の状態を正しく観察することが情報収集の基本ですが、そのためには患者との信頼関係が重要になります。この看護師になら安心してすべてを話せると思ってもらえるほどの信頼関係があれば、アセスメントに必要な分の情報収集は難しくないと言えるでしょう。

そのためには日頃から看護師としての仕事を真摯に捉え、患者のことを第一に考えながら取り組むことが重要になります。一朝一夕でできることではないので即座に事態の改善を望むことはできませんが、仕事の質を高め、アセスメントへの苦手意識を克服するには避けて通れない道と言えます。

経験豊富な先輩看護師にアドバイスを貰うのも一つの方法ですが、その人特有のクセやこだわりもあるので参考程度に留めるのが無難でしょう。